グランメゾン東京というドラマをご存じですか?
木村拓哉主演で三ツ星レストランを目指すドラマなのですが、料理がテレビらしからぬ凝り用。その秘密は三ツ星のカンテンサスが監修してるからってことで、是非行ってみたくなりました。
カンテンサスは言わずと知れたミシュラン三ツ星14年連続店の日本を代表するフランス料理店です。ワイン込みで予算は5万円を超えるお店。期待は膨らみます。
が、結論から言いますと想定を上回る期待外れでした。。同伴頂いた方みなヒットしなかったので、私だけの感想ではありません。この価格帯でこの想定の下回りはちょっとキツいです。。
まずは訪れる際のお話をば。。
予約・アクセス
・予約はOMAKASEで行いました。時々空きが出ますので登録しておきましょう。電話頑張れる方は電話でOK。
・大人数のテーブルが比較的開きやすいようです。人数集められるならおすすめ。
・駅から遠いのでタクシーで行きましょう。品川、五反田、大崎からです。
・店内に待合があるので駅で待ち合わせる必要はないです。
メニューについて
・メニューを選ばせない強気スタイルです。好き嫌い多い人には勧められません。
・品数が多く、ボリュームのある皿が多いです。女性なら前菜だけで正直十分。量食べれない人はボリュームのある皿は半分残して食べるのが正解に思います。
・半生感を残す焼き入れが特徴のお店です。質感を楽しませたい故の調理法ですが、万人受けされずらい皿が作られやすいです。半生の肉感がダメな人は要注意。
私だけではなく同伴者全員ヒットしなかったので、残念だったと言うのは私個人の意見ではないことは言っておきます。。。では本題へ。
北品川へ
駅からかなり遠いのでタクシーでアクセスします。私は大崎から行きましたが、五反田や品川からも行けます。大きなビルの1F外側店舗みたいなところにあるのですが、お店の位置がかなーりわかりづらかったので、少し早めに行くのがいいかもしれません。私にようにビルの中にうっかり入らないようにしましょう(笑) 看板も控えめで目立ちにくい位置にあります。
白紙のメニューの始まり。
この日は個室でした。ソムリエバッチを付けたお姉さんが料理の説明やお世話をしてくれます。名前は忘れましたが、良く気づき素敵な方でした。
まず運ばれてくるのが。。
白紙のメニュー。サプライズ感を出すために白紙にしているそうです。後から考えると、これがこのお店の最大のエンターテイメントでありながら、最大の欠点だなと感じさせられます。
まずはフィンガーフードから。
セロリと魚介のスープ。不思議な味わい。セロリが苦くない。
ヤギのミルクのババロア! カンテンサスといえばこれ。これが食べてみたかった。。。。! 想像と異なり、驚くほどあっさりしています。どんなタイプのコースにも入れやすいのかな? 上に乗ってるユリネが美味しい。
アナゴ、アーティチョーク、チーズ。フレンチっぽくない食材。おもしろい。
キノコとムール貝のパイ。かなり大きい。。。出汁が良く出ている一品。ただ、パイの部分が大きく、貝のボリュームもある。崩して食べるしかなく、パイと茹でた貝を食べてる感じで、正直何をしたいのか良くわからなかった。もっと小さくまとめられなかったのか。。後の皿が食べれるか一気に不安な気持ちになる。
フォアグラのクレープ。パイの後にクレープ。。。パイの後にクレープ? 思わず心の中で2回リフレインしてしまった。この後メイン来るんだよね、大丈夫かな? と心配になり始める。美味しいですが、私はもっと美味しいフォアグラをすでに知っている(キリッ)と心の中で呟き、まぁクレープやしなと思いながらお腹に入れる。
この時点でメンバーかなりおなか一杯気味に。特にクレープは女性は残しづらい一品。。。そしてこっからがメインが始まる。。!
魚料理はクエ。この日一番の皿でした。これは感動の美味しさ、、というか美味しいんですが、それよりも何よりも感動の質感でした。クエの身がこんな風になる魚とはだれも知らないんじゃないかなと思える不思議なお味。しっとりもっちり美味しい。油が多い白身ゆえに質感の技なのか。。皮も美味しい。ラビオリが添えられています。
続いて子羊のグリル。これがきつかった。。。臭みは、、ないのかなぁ。。でもかなり生なんですよね。。中々嚙み切れないし、生感が強くて羊の風味がでてくるし、すごく重い。そして単純にあまりおいしくない。クエもかなり量があり、おなかがいっぱいな所にこれが来たので残した人が多数。肉質か焼きに問題を感じました。
こっから怒涛のデザートラッシュの4品。4品デザートなんて聞いたことがないので、流石にみんな驚き。
まずは一品目、しそのチョコレートアイス。驚くほどにしそ。しそ強すぎてあまり美味しくない。外人受け狙いすぎじゃないかな。。
桃(かな?)のパイ包み。これが結構大きい。葉っぱは飾りです。あれ、パイ料理を前菜で出したよね? 前菜とデザートの担当で被りを避けたりしないのかな。こっちはメニュー選べないのに。それともフランスではこんなもんなのか。いや確かにフレンチのデザートは概して重いもんだとは思ってますが、ここでパイはなぁ。。メニュー見せないで大きめのパイを2回出すセンスに慄きながら一応食べる。
メロンのムース状ドリンク。癒しアイテム。白ナプキンの上でこれをチューチュー吸うのはシュールでした。。。笑 想像通りの味です。なんでこれを入れたのか分からないというのが本日の参加者の統一見解でしたが、軽めなのが嬉しい。
メレンゲのアイス。最後の最後にホッとする軽い一品。デザートはこれだけでよかったかな。
改めて構成見るとデザート残念だったかな。。奇をてらいすぎではと思わなくもないけど、三ツ星レストランでどこにでもある料理は出せないってことでしょうか。。
以上のお品で、ワインペアリングありは5万強 、無しで3万円強のコースでした。
感想
想定以上に期待外れでした。。クエのグリル(ポワレ?)は流石の逸品でしたが、多数の完成度に疑問を感じる品、メイン肉料理の落胆、先進的すぎて美味しくないデザート、そして何よりバランス考えてると思えないコースの設定。アラカルトやプレフィックスでパイ料理二つとクレープ料理を頼む人間がどれだけいるのでしょうか。何か試されてる気分になります。
他の三ツ星二つ星のお店でここまで落胆したことがなかったので、この満足度の低さは腑に落ちません。
カンテンサスは3か月ごとにメニューを変えるそうです。提供する皿の相性やクオリティが安定しないので、特に酷い時にあたると、惨憺たる結果になるってことでしょうか。。。でもこの値段帯でクオリティがぶれていいもんなのか。
私は、「ミシュラン三ツ星=(イコール)新しい種類の料理や趣向を出す傾向がある」「初期の段階からミシュランの三ツ星を取得している=フランス人好みのお店」、「長年三ツ星を継続=定期的に新メニューを出している」、「食通に人気=量が多いお店」という傾向があると思っています。これはいい意味でも悪い意味でもなく、そういうお店の傾向があるということです。ただ、カンテンサスはこういった傾向が強く感じられ、特に今回はそういった傾向の悪いところが凝縮したような感じでした。。
特に難しいなと思ったのが白紙のメニュー。品数、構成、量、内容、すべてわからないまま出していくので量やペースも計りづらい。好みのメニューだけ頼むこともできない。
一方でお店側もグランメゾン(東京ドラマの中のレストラン)のように顧客の様子に合わせてメニューの味付けなどを変えることも当然実際にできるわけではない。そもそも給仕しているメンバーはほとんど若者ばかりで、とても臨機応変な対応が出来そうに見えません。(我々に着いて頂いた方は幸いよかったですが、若い方でした) メニューを隠すなら、それを補う役割ができる給仕を付けるべきですが、明らかにサービスにお金をかけて無いように見えます。色々なクチコミを見ていてもソムリエの酷評が目立ちます。
結果的に、顧客の好みや食べ方というものを全て無視する超強気なスタイルとなってしまっています。しかも量・構成・味付けが一般的な日本人よりフランス人意識しているような内容。そしてこの高価格帯。仲の良い友人を連れて行きづらいお店です。
ミシュラン三ツ星の取得はまぁいいとして、なんでこれでこの値段帯で人気出るんだろう? というのが正直な感想でした(ミシュランの星が沢山あっても大抵のフレンチは予約に困りませんが、カンテンサスは予約取りづらいです)。今シーズンの皿が単にヒットしなかったのか。。いやいやでもこの値段帯でここまで満足感が低いのは初めてであり、これはちょっと許容しづらい。そんな一席です。
そんな訳で私的星評価は☆3.6でしょうか。。。パイ、クレープ、パイと大きめの小麦料理を3皿食べさせる構成を回避する方法を提供しない限り再訪は考えづらいですね。。。
所在地: 〒140-0001 東京都品川区北品川6丁目7−29 ガーデンシティ品川御殿山
電話: 03-6277-0485
コメントを残す